SSブログ

♭共鳴するアーティスト-2 [♭趣味]

トーチャンの感性と共鳴するアーティスト。

No.2はボサノバの世界で知らない人はいない、ジョアン・ジルベルト。
あまりに有名すぎて好きと言うのが少し気恥ずかしくなるくらい。

出会いはトーチャンが大学生の時。

夏休みに高原にあった学校の施設で避暑がてらお勉強(当時マジメな理科系大学生でした。[わーい(嬉しい顔)]
夜勉強しながら聴いていたラジカセから流れてきた音楽に心を奪われてしまいました。

それがジョアンジルベルトのアルバム『三月の水』

三月の水.jpg

静寂な空間に、自身の弾くシンプルなギター、訥々と囁くような歌声が隅々まで響き渡る。
気負っていないのに気迫が空間に満ち溢れて、狂おしいほどの寂寥感が姿を垣間見せる。
かと思えばリラックスしてくつろぐジョアンもそこにいる。

その中で衝撃を受けた曲が、彼の生まれ故郷、バイーア州を題材にした『バイーア生まれ』。

シンプルな曲なのに今でも何回聴いても体の奥から感動がこみ上げてくる。

このアルバムは彼がアメリカに在住しているときの作品らしい。
遠く離れた異国の地で生まれ故郷を想い、歌う。

ボサノバでよく使われる、ポルトガル語の『Saudade』(サウダージでググってね。)
軽やかなリズムや楽しげな演奏の中にも奥深くに『Saudade』の存在を感じ取れる。

トーチャンが数年前ポルトガルを旅行したのは『Saudade』と言う言葉が生まれた国でその源流を感じ取りたかったから。
裏通りの小さなレストランで地元歌手の歌うファドを聴き、ボサノバとは違うけど根底に流れる『Saudade』を一瞬感じることができたことを忘れることが出来ません。

ジョアンの歌声は吉田美奈子のように神経系統を直撃するような共鳴のしかたではありません。

上手く表現できないけど、皮膚感覚というか全身からボサノバが浸透していくイメージ。
でも浸透していくだけでその時点では共鳴ではない。
体を震わせる振動が体の奥深くに届きそこで共鳴すると言えばいいのでしょうか...
ヘッドホンで聴くとこの感動は得られません。

 

残念ながらこのアルバムが聴けなかった失われた20年近い日々がありました。

初めて聴いた夜、ラジカセで録音したんですが初めの数曲は録音できなかった。
当時のFM局はアルバム一枚をそのままオンエアしてくれる時代。
当時はレンタルレコードなど無く、お気に入りのアルバムは購入するかFMでエアチェック(録音)するしかない時代でした。

全曲を聴きたくてFMの番組表(懐かしのFM fan)でアルバム名を調べ、購入しようとしたけど出来なかった。
(記憶が明確ではないけどその時点で廃盤になっていたのかも知れません。)
秋葉原、御茶ノ水の輸入盤専門店や中古ショップを探すも空振りの日々が続きました。

本当にテープが擦り切れるほど大事に聴いていたんですが、社会人になって引越す時テープが行方不明になってしまった[もうやだ~(悲しい顔)]

CDの時代を迎えジョアンジルベルトの作品もCD化されましたがこのアルバムはなかなかCD化されず、『バイーア生まれ』を聴くことは出来なかった。
10年ほど前にCD化されてやっと再会できました。

他にも好きなアルバムはいくつもあるけど、トーチャンにとってジョアンジルベルトの原点は『三月の水』なんです。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0